エビデンスのみでなく、物語を考えるリハビリを
皆さんはリハビリを行う上で、必要だと思うことは何ですか?
働くうえで様々な事を考えていると思いますが…
では皆さんは「EBM」と「NBM」という言葉をご存じでしょうか?
「EBM」は聞いたことある方が多数だと思います。「NBM」については聞いたことありますか。
今回は「NBM」とはどういうものなのか、「EBM」のことを復習しつつ学んでいきましょう。
【EBMとは】
EBMとはEvidencn Based Medicineの略で、日本語では「根拠に基づく医療」と訳されます。
以前は専門家の医学的知識・経験が中心として医療は提供されていました。
現在は研究などで証明されたもの「科学的根拠(エビデンス)」を重視した上で、適した医療の提供を行っています。
つまり集められたデータをもとに治療を行うということですね。
しかしこの集められてデータはすべての人に当てはまるというものではありません。あくまでも一般論や確率論なのです。
にもかかわらず、現場では「それってエビデンスあるの?」っていう先輩やバイザーが多いと思いません?
「エビデンス」、「エビデンス」、「エビデンス」そればっかり見てるなら、データ入力してコンピューターに治療法を出してもらった方がいいですよね。
でもそれで患者さん満足してくれますかね?
そこで、現在問題を包括的に考えるために提唱されているのが「NBM」なのです。
【NBMとは】
Narrative Based Medicineの略で、日本語では「物語に基づいた医療」という意味で、英国の開業医が提唱しました。
Narrativeは物語と訳され、対話によって患者さんが語る、それぞれの病気になった理由や経緯、病気についてどのように考えているかなど患者さんと病気の「物語」を聞くことで、病気の背景や人間関係を理解し、患者さんが抱えている問題を幅広い視野(身体的、精神的・心理的、社会的)で見てアプローチしていくというものです。
よく医師に関してこのNBMについて書かれている記事を目にします。
しかしセラピストも同じだと思います。
痛みを取ればいい。歩ければいい。トイレに行ければいい。だけが患者さんの望むことではない。
患者さんの訴えを聞くことはしていても、あらゆる問題を想定しないと結局意味ない。
エビデンスももちろん必要だけど、患者さんの物語を知ることも大切。
そして自分がその物語の歯車の一部になるつもりでやらないと。